南信州の冬 囲炉裏とゆべし(1974年)
ユウガク | SBC 信越放送信州あの日あの時
1974(昭和49)年のニュースから。
南信州の名産品の1つ「柚餅子(ゆべし)」は11月から2月にかけて天龍村などで作られます。
収穫した柚子の実を繰り抜き、そこに味噌あんやクルミを詰めて蒸します。
蒸しあがったものを3か月ほど乾燥させると完成です。
囲炉裏の横では蒸しあがった柚子を1つずつ紙に包む作業が行われています。
包んだら軒先で干します。
乾燥は火を使わずに風だけで行い、その間も何度も優しく形を整えてあげるのだそうです。
昔は武士が持ち歩いて食べたほか、農作業などでのおやつにもしていました。
当時は辛味が強かったそうですが、今は甘口も作っていて、お茶うけとしても人気です。
作業を終えた囲炉裏には地元の人が集まってゆべしを味わっています。
傍らでは五平餅も焼かれています。
長い歴史を持つ伝統の食、これからも受け継いでいきたいものです。