塩分Gメン登場! 野沢菜漬けの大規模調査(軽井沢町・1982年)
ユウガク | SBC 信越放送信州あの日あの時
1982(昭和57)年のニュースから。
軽井沢町借宿地区の民家を訪ねるのは小諸保健所の栄養士や保健師たち。
長野県が県内全域で実施した大規模な「塩分調査」を取材しました。
冬は寒く雪も多い長野県、昔は冬には野菜が収穫できないため、漬物を食べて春を待つしかありませんでした。
そんな漬物は食事だけでなくお茶受けにも登場。
毎日かなりの量を食べていました。
長い冬を乗り切るために漬物には大量の塩が使われたほか、「海なし県」では塩漬けにした魚がたんぱく源でした。
さらに3食とも味噌汁が食卓に上がることも珍しくなく、昔の人の塩分摂取量は相当多かったようです。
そうした背景もあって県内では脳卒中による死亡率が昭和30年代から増え、昭和40年には全国で最も高くなりました。
県は「漬物は1日に小皿1皿」「味噌汁も1日1杯」といった指針を出して「減塩運動」に取り組みます。
取材した調査もその一環で、この時は20~59歳の男女6,400人が対象になりました。
県の担当者は漬物の漬け方を聞き取った後、サンプルを持ち帰り塩分濃度を調査。
また対象者の尿も検査し、体内の塩分量を確認しました。
こうした地道な努力を続けた結果、長野県は平均寿命ランキングでは全国トップレベルになっています。