国鉄篠ノ井線 さよならD51(1970年)
ユウガク | SBC 信越放送信州あの日あの時
1970(昭和45)年のニュースから。
国鉄長野駅に蒸気機関車「D51」が入ってきました。
この日は篠ノ井線にSLが走る最後の日です。
ホームでは記念のセレモニーも行われ、大勢の人が見守る中、D51は客車を引いて出発します。
白い煙を吐きながら進むD51。
沿線には鉄道ファンが陣取り、最後の瞬間を記憶に刻んでいます。
戦前から製造が始まったD51は戦後も長い間、乗客の輸送と物流を支え続けてきました。
しかし、燃料の石炭をくべながら走らなければならず、燃費の悪さや人手がかかることなど、運用のコストが課題となっていました。
さらに煙を出しながら走るため、沿線の住民からも不満の声がありました。
映像でもトンネルに入った後、煙を吸うのを避けようと乗客が口をハンカチで覆っています。
篠ノ井線にはこの春、ディーゼル型の機関車が大量に配備され、SLは引退となりました。
長野県内ではこのあとも飯田線や中央西線でもSLの引退が続き、1973(昭和48)年までに営業運転を終えています。