【貴重映像】軍艦島の精霊流し ~コンクリート護岸から海へ〜
ユウガク | NBC 長崎放送映像のタイムマシーン
端島の炭鉱マンたちに担がれた精霊船が高層アパートの谷間に伸びる島の通りをゆっくり進んでいきます。「精霊流し」は長崎のお盆の伝統行事ですが、軍艦島と呼ばれた炭鉱の島、端島(はしま)でも島独特の精霊流しが行なわれていました。この映像は昭和43年(1968)に撮影されたもので、端島の精霊流しを記録した動画はあまりなく貴重なアーカイブ映像です。長崎市の精霊船では「みよし」に家名や町の名が入れられますが、端島ではお寺を表す「卍」の印が記されていました。にぎやかな爆竹もなく、灯ろうを持った島民たちが精霊船のあとに続くのも長崎市内の精霊流しでは見られない光景です。島を囲むコンクリート護岸の切れ間から精霊船を海に出し、一緒に泳ぎながら静かに沖へ流しました。故人の霊を弔い、炭鉱事故で亡くなったヤマの男たちを慰霊する炭鉱の島の精霊流しでした。