十日夜のわら鉄砲(佐久・1959年)
ユウガク | SBC 信越放送信州あの日あの時
1959(昭和34)年のニュースから。
自分の背丈に近い大きなわら束で地面を叩く子どもたち。
秋の行事「わら鉄砲」の様子です。
旧暦の10月10日(十日夜・新暦では11月10日)に田んぼの神様に感謝を捧げる行事で、地面を叩くことで害虫やモグラを追い出し土の中の精霊に翌年の五穀豊穣を祈ります。
こうした行事は甲信越、北関東、さらには東北地方南部にかけて広く行われていて、子どもたちの歌も地域によって歌詞が違います。
この映像は佐久市内で撮影されました。
子どもたちは「とお~かんや とおかんや とおかんや~の~ わらでっぽう」と歌いながら歩いていきます。
この頃の子どもたちは戦後のベビーブームの世代(いわゆる「団塊の世代」)で、映像にも大勢の子どもが映っています。
大人に教わりながらわら鉄砲を作る場面もあります。
豆がらの茎などを芯にして収穫されたばかりのわらで作るのが習わしだそうです。
時代が変わりこうした行事を行わない地区も増えましたが、佐久市内では受け継いでいる地区もあるそうです。