「伊王島炭鉱」 閉山へ ~31年続いたヤマの灯が消える~
ユウガク | NBC 長崎放送映像のタイムマシーン
長崎港外に浮かぶ石炭の島、伊王島(いおうじま)の炭鉱について、閉山が通告されたのは昭和47年(1972)1月のことでした。この日、現地では会社側の日鉄鉱業と労働組合による労使協議会が開かれました。この中で会社側は労組に対し「この年の3月30日で閉山し、従業員全員を解雇する」と正式に通告しました。経営不振により18億円の累積赤字を抱え再建のメドが立たないなどというのが閉山の理由でした。伊王島は炭鉱最盛期には1700世帯7300人が炭住やアパートで暮らしていましたが、閉山から1年後には2000人に激減しました。この日の労使協議会から3日後、労働組合側は大会を開催。「閉山はやむをえない」などとして会社側の通告を受け入れたことから閉山が確定し、昭和16年(1941)の開鉱以来31年続いたヤマの灯が島から消えることになりました。