「橘湾タンカー石油備蓄」開始~世界初の国家プロジェクト始動!
ユウガク | NBC 長崎放送映像のタイムマシーン
洋上に巨大タンカーを浮かべて原油を備蓄する、そんな世界で初めての国家プロジェクトが長崎県の橘湾で行なわれました。昭和48年(1978)12月、この日はジャパンライン所属の永祥丸22万8000トンに続いて、川崎汽船所属の信濃川丸23万8000トンが原油を満載した状態で湾内に相次いで停泊しました。これら2隻を含めて22万トンから26万トン級の原油タンカー10隻がこの年橘湾に集結し、錨を降ろしました。昭和48年(1973)のオイルショックを受け、将来の石油危機に備えて国内使用の10日分にあたる石油を備蓄する国策として行なわれた事業で、「橘湾タンカー石油備蓄」と呼ばれました。つまり、地上の石油備蓄基地が建設されるまでのつなぎとして、橘湾がタンカーによる洋上石油備蓄基地になったのです。このプロジェクトは昭和60年(1985)12月まで7年間に渡って続けられ、最大で13隻の原油備蓄タンカーが停泊しました。