篠ノ井線のトンネルで大掃除(1960年)
ユウガク | SBC 信越放送信州あの日あの時
国鉄篠ノ井線の冠着駅を通過する蒸気機関車。
1960(昭和35)年に撮影された映像です。
近くの冠着トンネルで夜を徹して大掃除が行われました。
トンネル内部の壁や設備に付着した蒸気機関車から出る煙のすすを、作業員たちが手作業で取り除いていきます。
壁に梯子をかけ「はけ」が付いた棒でこびりついたすすを落とすという、まさに人海戦術です。
カメラを手にした記者の大勢取材に来ています。
作業員が棒を動かすと、すすがぼろぼろと地面に落ちていました。
蒸気機関車がトンネルに入る際は運転士が警笛を鳴らし、それに合わせて乗客は窓を閉めたそうです。
さらに煙が出る角度も調整し、なるべく煙が車内に入らないようにしたそうですが、それでも気分が悪くなったとのこと。
昔は鉄道旅行も大変だったんですね。
篠ノ井線が完全に電化され蒸気機関車が引退するのはこの年から13年後のことでした。