分厚い氷を割って… 諏訪湖のヤツカ漁(1959年)

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00:02:09 1959

1959(昭和34)年のニュースから。
諏訪湖で撮影した「ヤツカ漁」の映像です。
江戸時代から行われている諏訪湖独特の漁で、湖に氷が張らないとできません。
漁師は氷が張る前に舟で大きな石を運び、300~400個ほどを湖に投げ入れ積み上げておきます。
水温が下がると魚は石の間に入って過ごすようになるため、厳冬期に氷を割ってすだれを水面に入れます。
すだれは魚がいる石を囲むように円形にして、石をその輪の外に移動させます。
そうすると行き場をなくした魚がすだれの中に残るという仕組みです。
魚の住処を「塚」と呼んだことから、「岩塚漁」がいつの頃からか「ヤツカ漁」に転じたと言われています。
動画にはつるはしで氷を割ってすだれを水面に落とす様子や、穫れた魚などが映っています。
氷の上を動き回る大きなナマズの姿も。
その上には鰻も映っていて、諏訪湖が豊かな漁場だったことをうかがわせます。
子どもとすだれを乗せたそりを引く男性もいます。
氷も今よりはるかに厚く、まさに「寒くないとできない漁」でした。
冬の寒さが厳しく漁が盛んな時代には、諏訪湖では1,000個の「ヤツカ」ができたと伝えられているので、湖は「ヤツカだらけ」だったようです。
一体どうやって自分が仕掛けた「ヤツカ」を見つけていたのか、不思議な感じもします。
湖面が全面結氷しない年が徐々に増えたこともあって、ヤツカ漁は昭和40年代以降は行われなくなっていきました。
今となってはこの映像は貴重な記録です。

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