全国でもここだけ! 美和神社の越年祭(長野・1992年)
ユウガク | SBC 信越放送信州あの日あの時
1992(平成4)年のニュースから。
長野市の美和神社で毎年12月16日に行われるのが「越年祭」。
1年の感謝と新年を向かる準備が整ったことを神様に報告する行事です。
起源は定かではありませんが、古文書によると「一時中断したが天保7(1836)年に再興された」そうで、長い歴史を持ちます。
映像を見ると狩衣(かりぎぬ)姿の神職がお椀にご飯、ニンジン、ごぼうや田作りなどを盛り付けています。
お椀の数が多いのは美和神社の境内に石の祠(ほこら)が96あるため。
それぞれの祠は全国各地の一宮(いちのみや=地域で最も社格の高い神社)などの祭神を祀っていて、お椀は毎年この日にお供え物として捧げられます。
(もともと祠は氏子の家にありましたが、明治時代になってから神社の境内に集められたそうです。)
越年祭ではそれぞれの祠のご神体も新しいものに変えられます。
こうした神事は全国的にも例がなく、美和神社独自のものだそうです。
神事に参列した氏子の中に会社勤めの人もいましたが、取材に「会社からボランティア休暇をもらった」と答えていました。
こうしたことからも神事が地域に定着していることがわかりますね。