松本城の化粧直し(1990年)
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1990(平成2)年の松本城です。
松本城の天守は1593~94(文禄2~3)年にかけて石川数正、康長父子により築造されたと伝わっています。
今から400年も前の建築なので、何度も大修理が行われてきました。
それと並行して大切なのが壁の化粧直し。
特徴の1つの黒い板壁は風雨や直射日光にさらされ続けるため劣化が避けられません。
塗られた漆には防水効果がありますが、放っておくと傷んでしまうため、漆の塗り替え作業が欠かせないのです。
命綱を付けた職人さんが屋根に上って刷毛で漆を塗っていきます。
天守の高さは30メートル。
お城の周りを歩く観光客も驚いた表情で天守を見上げます。
作業に当たった人は「お城の補修も人間のお医者さんと一緒。早期発見・修理が大切」と話していました。
こうやって漆の黒と漆喰の白という松本城独特のコントラストが維持されているんですね。
ちなみに以前は壁の黒さから「別名・烏(からす)城」ともされていた松本城ですが、市によりますと「烏城と呼ばれていたことを示す文献はない」ということです。