手押し型の田植え機(1960年)

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00:01:01 1960

1960(昭和35)年の春、安曇野の水田で田植え機の実演会がありました。
披露された田植え機は「農研式」と呼ばれるもので、エンジンはなく手で押して進みます。
エンジン付きのものと比べて値段が安いのが特長で、2~3時間で10アール(1反)に苗を植えることができました。
これは当時一般的だった手植えの5倍の能力で、人手不足に悩む農家にとって、手植え方式の田植え機は選択肢の一つでした。
市販された際の価格は15万円。
この頃の大卒者の初任給は2万3000円だったので、購入にはおよそ半年分の給与が必要でした。
農研式の田植え機は4年で4万台を売り上げ、日本の農業史上、初めての実用的な田植え機となりました。

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