伊那市のやきもち踊り(1974年)
ユウガク | SBC 信越放送信州あの日あの時
1974(昭和49)年に伊那市で行われた「やきもち踊り」の映像です。
伊那市山寺の白山社八幡社合殿(はちまんしゃはくさんしゃごうでん)で毎年4月中旬に行われています。
祭りでは紋付き袴に身を包んだ人たちが境内で踊ったり酒を飲んだりを繰り返します。
これを3回行い、最後の踊りが終わった瞬間に、踊っていた人たちは一斉に境内から走り去ります。
一刻を争うのでみんな素足のままです。
これに遅れると悪い疫病にとりつかれるとされているほか(行事の後で「厄払い」をするそうです)、「役もち(地域の世話役)」を務めることになるということで、それまで楽しそうにしていた人たちが必死の形相で走る姿は何ともユーモラスです。
祭りの記録が残っているのは江戸時代中期の1782(天明2)年からですが、実際に祭りが始まったのは鎌倉時代の末だったとも言い伝えられています。
やきもち踊りの歌詞には大津や松坂、伊勢といった地名があることから、お伊勢参りに行った人たちが踊りを持ち帰ったのではないかという説もあるそうです。